バイクを整備していると、突然「あれ?」とボルトが一本どこかへ行ってしまった経験はありませんか?
自宅で手軽に再利用できる方法があれば便利ですよね。たった1本のボルトを買いに行くためにわざわざ外出するのは、面倒なものです。
でもご安心ください!実は自宅で簡単にDIYすることで、ボルトの再利用が可能なんです。
バイクいじりの素人の私であっても、手順を覚えればたった10分ほどでボルトの問題を解決できました。
同じ直径のボルトがあれば、切断して利用できます。
タップダイスセットという道具のダイスを使ったダイシングという方法をご紹介します。
準備するもの
以下の道具や材料を使います。
- 同じ直径とピッチ(ねじ山の間隔)のボルトで紛失したものより長いボルト
- グラインダーとグラインダーの刃(鉄鋼用)
- タップダイスセット
- ペンチか万力(バイス)
- 軍手(けが防止のために)
グラインダーがない場合は、金切りノコでも代用できます。
その場合は、金属用のやすりで切断したボルトのバリを削ってください。
紛失したボルトと同じものを作る手順
紛失したボルトと同じものを作る手順を以下に示します。
只今、レストア中のⅤmax1200のガソリンタンクの後方にセットされるフェンダー(泥除け)を付けようとしていたところ、接続用のボルトが一本見あたらなくなりました。
わざわざ一本のボルトを買いに行くのも面倒であるし、近所の店ではばら売りをしていないので自宅に余っているボルトを再利用することにしました。今回は、その時の作業を例に説明いたします。
強度が必要な部分は、純正品をお求めくださいね!
手順1:ナット部分と直径とピッチの合うボルトを探す
ナット部分に合うボルトを探します。直径とピッチ(ねじ山の間隔)が合うものです。長いものは切断して利用可能です。
紛失したものより短ければ、その後のパーツどうしの接続がしっかりなされない恐れがあります。
手順2:ボルトの長さを合わせる
した写真のように、直系とピッチの合うボルトはありました。しかし長さが1㎝ほど長く飛び出た部分が後輪のタイヤに干渉する恐れがありました。
そこで、飛び出た部分に印を付けて、ナットに収まる部分を確かめるために、印をつけました。
φ(..)メモメモ。
手順3:ボルト切断
手順3では、ボルトを切断します。ナット部分に収まる長さの測定が終わったら、再度ボルトに印をつけて、グラインダーで飛び出てしまう部分を切断していきます。
切断作業を行う際には、ペンチか万力(バイス)を使ってボルトをしっかりと挟み、安定した状態で切断しましょう。
また、軍手を使用してけがを防止しましょう。
ペンチか万力(バイス)で挟んでから切断
万力(バイス)かペンチでしっかり挟んで固定しないと、安定して切断ができません。また、けが防止のために軍手を使用しましょう。
グラインダーとボルトの摩擦熱が生じます。素手でボルトを持つとやけどをします。
①万力(バイス)で挟んで作業をする場合
万力(バイス)で挟んで作業をする場合です。ボルトに対して垂直にグラインダーを当てていきます。
②ペンチで挟んで作業をする場合
ペンチで挟んで作業をするときには、ボルトがぐらつかないようにしっかりと力を入れましょう。
ペンチの場合はグラインダーを当て始めた最初が暴れやすいです。
手順4:切断した面のバリをとる
切断したボルトの断面は、荒くなっています。切断面のバリをグラインダーをあてて、滑らかにしましょう。
このときも、ボルトが暴れないようにしっかりとペンチで挟みます。
お疲れ様でした。ここまでが、ボルトの長さを揃える作業です。
しかし、このままの状態だと、切断した部分のねじ山が潰れていてナット部分に上手く入りません。
そこで、以下の作業(ダイシング)で潰れたねじ山を再生させます。
手順5:ボルトのねじ山を作る(ダイシング)
ボルトのねじ山を再生させるには、タップダイスセットという道具を使用します。
タップダイスセットには、タップ(棒状)とダイス(丸状)が含まれています。
タップはナットにねじ山を作る際に使用し、ダイスはボルトにねじ山を作る際に使用します。適切なサイズのダイスを選びましょう。
サイズがぴったりのダイスを使う
今回は、M6(直径6mm)、1.0(ねじ山の間隔1mm)のサイズでした。
この作業では、ボルトの切断前にあらかじめサイズを測っておくと効率が良いです。
撮影のため、片手ですが本来は両手で行います。
また、今回はボルトが短くボルトの切断面の最初のねじ山の再生ですのでドライバーを使ってボルトの方を回転させてねじ山を再生させました。
ダイシングのコツ
ダイシングをする際には、一気にねじ山を作ろうとしないことです。
最初が肝心です。ダイスにボルトを垂直に差し込んで、十分にあたりを付けておきます。そして、ゆっくりと回転させます。
回転させるときは、「半回転したら、一回転戻す」「1回転したら、2回転戻す」のようなねじ込み方をした方が効率よくねじ山が作れます。
再生したボルトをはめ込む
再生したボルトを作成したねじ山の箇所にはめ込めば作業は完了です。
フェンダーを取り付ける際にもしっかりと使用できます。
以上が、ボルトの再利用方法についての手順や注意点のまとめです。ネジ一本を買いに出かける時間よりも、自宅で簡単に再利用することで時間と手間を節約できます。
もちろん、ボルトをなくさないように注意することも大切です。・・・・この後、なくなったボルトが待っていたかのように見つかりました…。( ;∀;)。
最後に、バイクの修理や改造に取り組む際、特に強度が必要な箇所では、安全性を確保するために純正品を選ぶことをお勧めします。
今回使用したディスクグラインダーはRYOBI刃研ぎグラインダーCG-11です。普通のグラインダーよりだいぶ小さく軽いので、細かい作業をするときに使えて便利です。
また、今回使用したグラインダーの刃は、セットで10枚入っているものを購入しました。これにより、毎回刃を買いに行ったり注文する手間を省くことができます。
いつもはハイコーキ製のディスクグラインダーを使用しています。大小使い分けできると何かと便利です。
今回使用したタップダイスセットはE-ValueのEV-20TDです。値段も手ごろでした。10回以上使っていますが特に問題なく使用しています。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです。
1径とピッチの合うボルトを探す。
2長さを測り切断する。
3切断面のケバを取る。
4ダイシングして、ねじ山を作る。
ネジ一本買いに出かける時間よりも意外と短時間で簡単にできますよ。そもそも、私のようになくさないようにするのが先ですが…。
以上、参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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