バイクのメンテナンスやパーツの錆取りをしていると、回転部にはベアリングが埋め込まれていることに気づくことでしょう。
そして、「ここまでパーツを取り外したので、ついでにベアリングもグリスアップにしておきたいな」と考える方もいるかもしれません。
ベアリングが取れたら、グリスアップは簡単にできるメンテナンスですよ。
要するに、取り外したベアリングをきれいにし、新しいグリスを塗り込むだけです。
趣味でバイクの整備を始めた私のような初心者でも、この作業は十分にこなせました。
そもそもベアリングってどういう役割をしてるんだろうね?
大丈夫です!ベアリングに関する豆知識も掲載しています。あわせてぜひ、最後までお読みください。
ベアリングのグリスアップ方法
さて、ベアリングには大きく2種類
「ころ軸受型ベアリング(円すい型など)」と「玉軸受ベアリング(ドーナツ型)」
があります。
どちらのグリスアップも基本的には、同じ方法でできます。
では、円すいころ型ベアリングのグリスアップからご説明します。
グリスアップに準備するもの
グリスアップに必要なものです。
- グリス(私はエーゼット万能グリースを使用しています)
- パーツクリーナー
- ヘラ(竹串、綿棒、つまようじなどグリスを塗れるものなら代用可)
- 軍手(かなり手が汚れます&思わぬけが防止に)
円すいころ型ベアリングのグリスアップ方法
グリスアップしたベアリングはYAMAHA Ⅴmax1200のスイングアーム部分のものです。
手順1:パーツクリーナーでベアリングを洗浄します。
まず、パーツクリーナーでベアリングに付いている古いグリスや汚れを完全に落としましょう。
そして、古いグリスが落ちたかどうかはベアリングを指で回してみましょう。
そのとき「シャーッ!!」という感じで高速回転したら、古いグリスが落ちています。
※このとき、ベアリングを上下左右よく見て、ベアリング玉やころに傷があったり、ベアリング自体が壊れている場合は、ベアリングに型番が刻印されているので同様のものを購入しましょう。
ちなみに写真のものには「KOYO HI-CUP 30203JR JAPAN」と刻印されていました。
手順2:ヘラでグリスを塗っていきます。
ヘラなどを用いて、グリスをベアリングの隙間から塗っていきます。ベアリングの場合、塗るというより、塗り込む感じでしょうか。
今回ヘラは、塗装時に使う塗装こしのヘラを使いました。ちょっと大きかったのでカットして使いました。小さいマイナスドライバーやつまようじ、竹串などでも代用できます。
ベアリングの隙間からまんべんなく塗り込みます。ころの部分の隙間にも下側の隙間からも塗りこみます。
きれいに塗り込むと指で回したときに「ヌルヌル」っと鈍く回ります。
次は、玉軸受ベアリング(ドーナツ型)のグリスアップ方法です。
玉軸受ベアリングのグリスアップ方法
グリスアップしたのは、ディスクグラインダーのベアリングです。
ころ受軸型と違い玉受軸型は、両面にシールドが付いています。ですので若干作業が増えます。
手順1:シールドを外します。
玉受軸の両側に付いているシールドを小さなマイナスドライバーなどを使って外します。多少無理にこじってしまったのでシールドに若干こじり跡がついてしまいました。
みなさんは、お気を付けください!
シールドは、金属製のものとプラスチック製のものと種類があります。
ご覧のように、汚れたグリスで中はべったりでした。
手順2:パーツクリーナーでベアリングを洗浄します。
古いグリスが落ちたかどうかは、先程と同様に指で回します。
このとき「シャーッ」と高速回転したらOKです。以前、流行ったハンドスピナーのようによく回ります。
手順4:ヘラでグリスを塗っていきます。
こちらも、円すいころ型同様に隙間なく塗り込んでいく感じでグリスを詰め込んでいきます。
表面が終わったら裏面も同じように塗り込んでいきましょう。
きれいにに塗りこんで回すと「ヌルヌル」と回転します。決して「シャーッ」ではないです。
シールドをもとに戻して、はみ出たグリスを拭き取ったらおしまいです。お疲れ様でした。
今回の作業で使ったグリスです。
ベアリング豆知識コーナー
そうそう、ベアリングって何のために付いているの?
そうでしたね。それでは、ベアリングの果たす役割をみてみましょう。
ベアリングの果たす役割とは?
バイクや自動車、その他いろいろな機械類でベアリングは以下のような役割を果たしています。
1 | 摩擦軽減 | ベアリングは軸受け部分の摩擦を減らし、回転部の負荷を軽減します。これにより、スムーズな回転動作が可能となり、エネルギーのロスを最小限に抑えます。 |
2 | 負荷分散 | ベアリングは回転部にかかる負荷を均等に分散します。これにより、部品への負担が軽減され、耐久性や寿命が向上します。 |
3 | 摩耗軽減 | ベアリングは回転部分の摩耗を軽減します。適切なグリスや潤滑材を使用することで、金属同士の直接接触を防ぎ、部品の寿命を延ばす効果があります。 |
こんな役割を果たしているんだね?もしグリスが切れたらどうなるの?
ベアリングのグリス切れで生じる可能性のある不具合
ベアリングのグリスが切れたり、古くなり固まったりした場合には、以下の不具合が起こる可能性がります。
1 | 摩耗と摩擦 | グリスはベアリング内部の摩擦を軽減し、部品同士の摩耗を防ぐ役割を果たしています。 グリスが不足すると、部品同士の摩擦が増加し、ベアリングや周辺部品の摩耗が進みます。 |
2 | 熱の発生 | グリスは熱を効果的に放熱する役割もあります。グリスが不足すると摩擦熱が増加し、ベアリングや周辺部品が過熱する可能性があります。 これにより、ベアリングの性能や寿命が低下することがあります。 |
3 | 騒 音 | グリスが不足すると、部品同士の接触が増え、異音や騒音が発生する可能性があります。 これは正常な動作に影響を及ぼし、快適性や安全性に悪影響を与えることがあります。 |
メンテナンス時に取り出した際には、グリスアップをすることをおすすめします。
まとめ
ベアリングのグリスアップ方法
1パーツクリーナーで綺麗に洗浄しましょう。
2古いグリスが落ちたかどうかは、目で見て回転させて確かめましょう。
3ついでにベアリングが痛んでいないかもチェックしましょう。痛んだり壊れたりしていたら、型番を確認して購入しましょう。
4グリスは、まんべんなく塗り込んでいきましょう。
以上、ベアリングのグリスアップ方法と豆知識のご紹介でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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